『のけものどもの』大前粟生短編集

 パンダをカメラで取ったら白黒だった。このように萎れたピーマンみたいな足の長いヘロヘロ女が会議していた。ぴーまんは五個入っています。あ!ピーマンの肉詰めにちょうどいいなって。ちょっと安いから不安なんだかどこさんなの?まちに待ったわけですよこちら。ばけものどもめ!朝飯前よ。ぶくぶくぱーのウォーミングアップにもなんねぇ。オラが童貞だった時、初めて付き合った合氣道道場の次女大友AIちゃんと繰り広げたあの夏の毎水曜日。やっぱ臭えじゃん。素人同然のコイツら相手するこっちの気にもなってくれよ。おっいいところにファブリーズあるじゃん。ファブ。音心普通。

 人間らしさを逆手にとって寝ながらスナップを効かせることで、おむすびのやさしさといとしさとほころびづらさを再現したわけですね。そうなんですこの手首の動きはできないものなんです。代わりはいないと。プロ野球選手もやってるみたいなんです。コツとしてはイタリア人の投げキッスです。デルピエロの声が高いって何の話ですか。今のところ彼らの神経伝達機能的反応速度を見る限りあなたが生きている相田は大丈夫でしょう。AIDAIDAIDAIDA。

 ヘッグス。それは酔っ払って熟睡し山手線を一周した時に偶然大崎駅で発見された。アイちゃんのお誕生日会をほったらかしおジャ魔女どれみのビー玉みたいなの入れると光るおもちゃでぐるんぐるんしてたあの頃思い出して気持ちよく眠っていたのに。花粉症の爺のせいだ。新しいもの、を前にして私たちはじめ抵抗した。神がなくなるわけないじゃないか。最近後退、してきた気がする髪はなくなっていった。ほっとけ。大型ハドロン衝突型加速器のせいだ。たかが電子だか粒子ひとつぶを獲るためにここまでするのか。んなことどうでもいいから紙とってよ。ペーパー。紙は死んだ?

 電子書籍だからできるのか。紙の本になれないのか心配です。ならなくてもいいのか。なるならなるで書きそうだし。制約があってもその中で。大前粟生は、シンギュラリティになりそうでワクワクさんです。つまり簡単に言葉や声で感想を語るのを放棄して、変な話でよくわかんないこと言ってごまかした私の加齢臭のついた駄文なんか読んでないで

『のけものどもの』いいから読んどけって話です。

 

 

 

文学ムック たべるのがおそい vol.2

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ヒドゥン・オーサーズ Hidden Authors (惑星と口笛ブックス)

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『虫歯になった女』ノリ・ケンゾウ

 よく噛んで食べなさいとよく言われる。あーしは、早食いだ。しかし、めんどくさがりでもある。だから母親の言いつけどおりによく歯磨きしとけばよかったと思う。あーいっそ全部抜いちまってバナナマンの日村みたいに…お金があればなぁ。
                                                          ≪チャレンジ≫

 ノリ・ケンゾウ『虫歯になった女』で判定を覆そうと奔走する姿は、テニスで言うチャレンジシステム。様々なスポーツで扱われ導入が検討されている機械判定技術のようだ。

 虫歯ではない状態がアイデンティティであるとして、それを支えに生きてきたこの女に親近感をおぼえ感情移入せずにはいられない。絶対に負けられない戦いがそこにはある。あーしは、脇毛がハエていない。

 いつかはやってくるだろうと気長に待ち20をすぎた頃からそういうもんだと割り切った。生えない人間もいるのだ。しかし、家族を見渡してもなかなかのものをお持ちである。ホルモンバランスから無精子症を心配し、同じ症状の有名人に安心し、心身は特に疲弊もしないので四半世紀ほうっておいた。意識すればするほどむず痒くなるものでなんだかムズムズする。したらば先日、一本生えた。右脇だけ。

 これが嬉しいのなんのその、悲しみも挨拶してこない。動揺してはいるんだろうけど、ないならないで困らない。今後の予定がわかればいいのだが、どうなるのだろうか。いっそレーザーで…永久…数本の為?この話なに?

≪チャレンジ≫

 さて『虫歯になった女』では、力技でアイデンティティを取り戻すのだが再起動か強制シャットダウンかなんともいえないところだ。しかし、大きく見れば人間も同じように成功し失敗し繰り返し進歩し後退している。思い込みでこの世界を漂っている。何かが失くなったら、また他の何かで埋めるしかない。抜いたらまた出てきますか?

 『虫歯になった女』ノリ・ケンゾウは、書肆侃侃房の文学ムック『たべるのがおそい vol.3』に収録されています。今村夏子、最果タヒ星野智幸山尾悠子、セサル・アイラ、黄崇凱、相川英輔…厄介な作家ばかりです。さらっと読んでもじっくり読んでも読めた気はしませんが気持ちいいのはたしかです。あなたも重力から開放されてみませんか。

≪チャレンジ≫

 

文学ムック たべるのがおそい vol.3

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文学ムック たべるのがおそい vol.2

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文学ムック たべるのがおそい vol.1

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『劇場』又吉直樹についてなんだかなー

 

 

 うったらたまたまあたったからそれもまたよしとする

又吉直樹という作家は、ある意味呪われている。人気お笑い芸人になったこと大衆性を獲得した。しかしながら、その一方でアンチに悪口や初対面でも色眼鏡もって接されることも多いだろう。なおかつ彼が主戦場として選んだ純文学という場は閉鎖的であり限定された空間である。これまた「本なんて読まねぇよ」「書籍は売れない時代」との声に溢れ、読んでいるとしてもエンターテイメントやミステリーなど読みやすいものが好まれる。「芥川賞の作品読んでみたけどわけわかんねーよ」「糞つまんなかった」第芥川賞受賞作『火花』にもそんな声があがった。

 

劇場

劇場

 

 

 しかし、売れた。とにかく売れた。200万部!文芸誌異例の重版!推薦文にも又吉!文庫フェアにも又吉!本屋は、又吉直樹だらけであった。又吉直樹の狙いは芥川賞直木賞の中間であると考える。読みやすく面白く芸術性もあり文壇にも評論家にも書評家にもネット民にも認められインスタに上げられインフルエンサー 結果が全てだ。いや、内容も重要だ。読まずに書く誹謗中傷。読めずに掻くつまんなカッター。直キュン死。純文学ですか?はい、純文学です。お笑い芸人が。帯全部又吉ジャン。傑作です。ダサくね。平成なのに昭和感。いつ行くの今でしょw

『劇場』は売れない演劇バカが物分りのいい感じの優女とテンヤワンヤしながら出会い別れを繰り返し冷たい東京で生きるよくある話だ。しかも今回は、恋愛小説として売り出している。恋愛小説は難しい。フェチズムってか嗜好が別れ,欲だかエゴだか醜いある意味純粋な部分。ベタかシュールか。バランスが取りにくい。だいたい駄作で終わる。「人それぞれだからね~」の大立ち回りで、「文学的に素晴らしい」とか「描写が」とかでも補填する。前作『火花』で「よくわかんなかったー」読者のために恋愛小説色を強くしたそうだがそのまま素直に受け取っていいのだろうか。

主人公への不快感。ヒロインの非現実的物分りの良さ。どの時代の話?通信手段断絶。Wifi飛んでる? 

しかし全て「物語は劇場なのだ」でめでたしめでたし。

いや恐ろしい。これは読者を篩いにかけている。というか実験でもしているのか、社会調査? 

メディアに登場し「もしよければ読んでみてください。僕より面白い作家さんは五万といるので…」と謙遜しながらニタリとしている。怖すぎる。もはや、感想を気軽につぶやくことも憚られる。避けていても聞こえてきてしまうネットの軽い言葉たち。駄作。いや傑作。文学的に文体がなんだか普通。まじめというかね。何時代?東京百景や第二図書のがいい。

戦う 時代と批評と運命と 幸運であり不運である作家

これはある種芥川賞受賞後のゴタゴタを払うための作品なのではないか。羽田圭介も『成功者K』で虚構と現実に迷い込みメディアとの距離のとり方を示した。決して、今作『劇場』は100年後に残る傑作ではないだろう。 

しかし、出版業界やエンタメ、純文学への挑発と現在地の観測に挑戦しもがき苦しんだ又吉直樹『劇場』は私にとって大切な100年後に紹介したい好作である。何より次作が楽しみだ。僕らがバカにする天才綾部と出版不況をごまかしもたれかかられ矢面に立たされる努力家又吉。何もしない我々は、彼らの良き観客であり続ける顔のない代替可能な影として。

後始末

なにかうまく書けませんが届いてほしい。

 

火花 (文春文庫)

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東京百景 (ヨシモトブックス)

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第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)

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芸人と俳人

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