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『あなたをえらんでくれるもの』 ミランダ・ジュライ(岸本佐知子 訳 )

人間は、誰しも孤独である

しかしながら、孤独という共通言語を持つからこそ、

優しさと厳しさを持って人と繋がることができる

          そう、まとめてページを閉じてから何年経っただろう。

 

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)

 

 

 前作、『いちばんここに似合う人』を読み旅行先で迷った時に優しくされた「どっから来たの」おじさんに一目惚れし「親しい友より、その辺の他人」という究極の自己完結に至る。いつの間にか、周りには誰もいなくなり「何も必要としない何か」へと近づいているのだか、遠ざかっているのかわからぬまま前へと進む。こっちであってるよね?

無人島に持って行くなら?ミランダ・ジュライの本

 なんて心に閉まっておけばいいものの、見ず知らずの承認欲求にかられSNSに投げ入れた。反応は、3リツイート2お気に入り。その間にも増え続ける謎フォロワー達。友達百人できるかな反対運動推進委員会名誉委員の私でも、フォロワーは100を超えた。2秒嬉しかった。5秒バカにした。1秒死にたくなった。もう、忘れた。

 会う人会う人にナイフを突き刺し、安易な同調に睨みを効かせた。大学時代、笑顔で擦り寄ってくるイケメンとヘラヘラLINEをブッブ、ブッブやり合った。固有名詞スマッシュが飛び交う試合だったが、ビックサーバーである私のせいで一方的な試合になっていった。「宇宙にむかってサービスエースを決めてんの?」なんて思ったけれど、時たまのリターンエースに濡れた。

彼が、ミランダ・ジュライを知っていたのだ。 彼が、ミランダ・ジュライを知っていた。 彼が、ミランダ・ジュライを知ってたのだ。

 彼は、演劇、ダンスからミランダ・ジュライを知ったそうだ。私は、根本的によくわからないコンテンポラリーダンスを想像し、ググった結果、「現代的なダンス」という解釈に落ち着いた。なんだかよくわからないままミュージカルを観劇し、ライブ感、ダンスのキレ、下半身の膨らみにあたふたしながら、彼に感動し絶頂へと達した。

卒業前夜に、酔っ払った勢いなのか上半身裸でシェイクスピアの台詞を大きな声で演じた彼は、スマホの片隅で生きている。彼はミュージカルスターになると言い、錦糸町のパブで漫才やものまねをしながら東京でなんとか暮らしている。携帯も止められ、メールも三日後。もう、二度と彼に会うことはなかった。

 そもそも、彼と出会っていたのか。そんな奴いたっけ。いない。いない。ばぁ。私がボケていた、だけか。夢でもし逢えたら会えたで、うなされる。もう時間は、ない。

 「時間が解決してくれるのかな?」誰これ構わず投げられた暴力的答えに私は、眉をひそめるしかなかった。

 ベットに転がり、履いたまま寝てた靴下を丸め、天井に当たるか当たらないかのとこに投げる。ただひたすらに。でも、何度も何度も壁にぶつかっている。私の力加減なのだが、イレギュラーにニヤけてしまう。

あぁ、たまにはキャッチボールしたい

 

後始松

 今回のお話は、スピリチュアルな展開になるので苦手な方はごめんなさい。でも、私は、小学3年生から『癒やしのトルマリンリング!』を疑い産出国、加工方法、鉱物的価値、煮る、焼く、投げる、割る、舐めるという調査を繰り返し、ロマンスカーに揺られ山に水晶を取りに、『週刊トレジャーストーン』(ディアゴスティーニ社)を途中で投げ出した経歴を持つので安心してほしい。

信じれば、願いは叶う!噛んでもマイナスイオンは出ない!

 ミランダ・ジュライの悟り思考に、いちいち共感してしまう。これは、私が水瓶座であるからなのだが、月星座が…といったつっこんだ話はしない。感覚的な話でなんとなく聞き流してほしい。統計学でもなければ、根拠もない。ここでなんとなく水瓶座の有名人を挙げます。夏目漱石所ジョージ新庄剛志福山雅治星野源オダギリジョー高田純次みうらじゅん小泉今日子、オノヨーコ、矢口真里石破茂きゃりーぱみゅぱみゅ中田ヤスタカ香取慎吾ダーウィンエジソンモーツァルトルーズベルトマッカーサー徳川家康…。

 12星座の中でNo.1の「変人」、それが水瓶座だそうです。ひっちぽっちな感覚わかるでしょうか。歌って演じて絵も書いて物も作っちゃう、てきとーになんかやってたら価値が出てきちゃう人たちです。そして、他人事のようにクールに話し冷静に事を進めていく…未来を見すぎて突拍子もない事を言う。そして、人と同じことは絶対にしたくない。あまのじゃく。枠にはまらない。すぐ「自由だ~」(犬井ヒロシ)って叫びたい。ユニークでエキセントリック。カラフルな色がすき。ダンスも映画も文章も冷静に変態…ミランダ・ジュライですね。

しかし、気持ち悪い天才の水瓶座は、自由の反面、意固地なんです。こじらせ系女子なんてもんじゃありません。今回、ジュライは脚本に行き詰まっているかと思いきやいつの間にか「時間」と格闘しています。基本的には、「宇宙」とは日常的に戦っているので「時間」もさほど怖くはありません。筆箱の中に入ってるいつもの消しゴムみたいなもんです。しかし、比率がおかしくなってしまうと…。消しゴム消しゴム消しゴム消しゴム。筆箱開けたら消しゴムだらけなんてイヤですね。とりあえず噛んでみろ。苦いから。時間、時間、時間、時間、時間。日寺門+小さい日、日で挟むのか。寺門?ジモン?自問自答?英語ですから、time、十字架に私ミランダE。知らん。長い。

 暇つぶしのネットサーフィンに飽き、郵便受けの売買広告に興味を持つ。他人を尋ねる興味と恐怖心に揺れながら、いつの間にかそれが「生きがい」として大切な時間へとなっていく。だが、他人に触れることは「現実」に立ち向かうことであり、重みが加わる。それは、瞬間。人々の歩んできた時間の結晶である身体に触れることでもあり、一定の時間、心を共にすることでもあるのです。それは、愛も憎しみも喜びも悲しみも生も死も無も有も、いきなり現れる生々しく。グローブに音も重みも優しさも熱さも痛みも伝わってくる。

 石井ゆかりさんの12星座シリーズ『水瓶座に感激してしまった章があります。水瓶座の孤独を宇宙服に例えていいるのですが、少し簡略して紹介します。

あなたは、宇宙空間で宇宙服を着ています。同じように宇宙服を着ている人が隣りにいて何かを伝えようとしても機械を通してしか伝えられないのです。直接には、声も肉体にも触れられないのです。そんな状態の孤独。私たちは、どんなに親しくしていようと根っこのところでは、わかり合えないのを知っています。しかし、あなたは孤独を癒やし消し去ってくれる人を求めているのではありません。あなたを大切に思う人は、あなたの孤独の本質を理解して寄り添ってくれる人なのです。

 本を通して誰かを思い、誰かの人生を噛じる。苦くもあるが、目の前の彼が少し笑ってくれている。あなたも触れてみませんか。あなたを選んでくれるものに。

 

 

あなたを選んでくれるもの (新潮クレスト・ブックス)

あなたを選んでくれるもの (新潮クレスト・ブックス)

 

 

 

 

 

 

 

コンビニのレジ前に置かれているいちご大福って、雨に濡れる子犬より遠くて近くて好きで嫌い。