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なんとなく村田沙耶香

 

 

 

ごちゃごちゃした沢山の情報を詰め込むと世界はバランスを崩し濁りだす。

どんなに鮮やかだった見てくれの色達もいつかは残酷な黒き世界に蝕まれていく。

ほの暗いトンネルの奥に何が見えるのかは、誰もわからない。

色どりを失ったぬるい世界も誰かにとって希望に満ちた世界。

色どりに溢れたぬるい世界も誰かにとって絶望に満ちた世界。

「ねぇ、綺麗な色を何度か重ねればいつかは、しろいろになるの知ってる?」

『色の三原色だっけ?混ぜると黒になるんじゃないのー』

「光があたれば、しろいろに見えるらしいよ」

『白色に見える…?』

 

消滅世界

消滅世界

 

 

クレイジー一族の沙耶香は、寝技を得意とし数多くの読者を叩き潰してきた。

挑戦者が準備し持ち合わせた固定観念は、ほとんど吹き飛ばされる。

自ら、寝転がり相手を待つスタイルは、一歩間違えると即座に敗北へと繋がる。

生と死のグレーゾーンを楽しみ、相手に白旗をあげさせ、わざわざ強者との対戦を望み階級の枠を越え彼女は、何を求めるのか?

噂ではあるのだが、試合後、コンビニでの目撃情報が多数寄せられている。

とにかく笑顔で不気味だったと目撃者は語る…

いや、あれは、クレイジー沙耶香ではない。

そんなはずがないのだ。

 

殺人出産 (講談社文庫)

殺人出産 (講談社文庫)

 

 

『性』という看板を片手に殴りかかってくる作家。夜道を歩いていると、突然、後頭部に強い衝撃があった。

価値観、倫理を揺さぶられたの。

いやはや、面と向かって『殺人出産』というセンセイショナルなカバーを突きつけてくる。

飄々とした顔をして恐ろしい女だ。

発見された凶器は、よりソリッドになり単行本程度の大きさだった。

今も思いだす、思い出したくないのに。

時代が追いつかない。

胸のあたりがポカポカする、これが恋なのか。

よくわからない、わかったことなんて一度もなかったかもしれないけど、わかったことにするね君のこと。

 

 

コンビニ人間

コンビニ人間

 

 

第155回芥川賞受賞作品は、村田沙耶香「コンビニ人間」に決まった。そんなことお構いなく世間は、ポケモンGOフィーバーだ!私も早速ポケモンマスターになりたいなならなくちゃ絶対なってやる!

 

ということで、ポケモンGOとコラボしているマックへGO!

 

クーポンを探すふりして、ポケモンGOのアイテムを貰う。後ろに人はいない。かざすクーポンを使ってセットを注文。かざかざかざかざかざしてください。ブブー。かざかざかざかざかざしてください。ちゃらっちゃちゃーちゃーんっ!

 カウンター席は、スマホを持つ少年少女には見えない20代…30…いや、老けた高校生か大学生だろう。トレイを持って四人がけの片側ソファー席へ。ランチの時間帯でもないので、ノマドっぽいことをしてるお一人様が多い。壁を隔てて更に奥反対側に野球部らしき高校生が3人。少し警戒する。

そもそも、ポケモンGOはGPSを使ったゲームでキャラクターを捕まえたり、その場に行ってとアイテムが貰えたりする。マックでもアイテムが貰え、5分かそこらでまたアイテムが貰える。

トレイとスマホをテーブルに置き、かばんから文學界6月号』を取り出す。ポテト喰う。メロンソーダ飲む。最近、メニューに追加されたことは、こないだニュースサイトで見たから知ってる。たしかクリームソーダもあったことに、今、気づく。

ブブ

あ!野生のコラッタがあらわれた!

やったー。コラッタを捕まえた。

ポテト喰う。

期間限定のハンバーガー食う。うまい。

アイテムが獲得できるようになったから、またスマホ触る。

ブブ

ブブ

今度はポッポ。

やったー。ポッポを捕まえた。

誰かが有料の餌を撒いている。この餌にポケモンが集まってくる。

のどかわくメロンソーダ補充。

コンビニ人間広げる。文学誌は、そのまま広げられるからいい。

アイテム獲得の時間

ソファー席の真ん中に少しエグザイルなお兄さん登場。または、ハイパーメディアなんちゃらクリエーター。お兄さんスマホ。ずっとスマホ。お兄さんポケモン。たぶんポケモン。いっぱい出てきてハンバーガー食うどころではない。

ポテトうめぇ

メロンソーダないと死ぬわ

なくなるメロンソーダ

壁隔てて反対側室内なのにキャップをかぶっている二十歳くらいの男性こちらをチラッと見る。ポケモンやってんのバレたか。もはや、やっているなら話しかけようか。喫煙所的なノリか。もうポケモンフレンドだろ。わたし、『コンビニ人間』読む。芥川賞受賞作。高尚な文学。野球部風の高校生「ポケモンマスターへの道は、遠いーなー」特に害なし。平和。

餌のフィーバータイム終わる。カウンターにいた老け顔男子達出て行く。

ムラ&クニ 縄文時代 弥生時代 

 

家族連れ。中学生くらいの姉妹と幼稚園くらいの男の子。うるさい。小さい子に話しかけるときの口調。うざい。ウォークマンの出番だ。絡まったイヤホンを解き、耳につける。

電池残量がありません

引き下がれない。となりのエグザイル兄さん退出。わたし、音のない森

「お父さん、焼き鳥好きだから、今日、これを焼いて食べよう」

店員のめがねおばさんテーブル拭く。なるべく目を合わせないように真剣に読書しメロンソーダ飲む。メロンソーダは、氷が溶けた水がわずかしか吸えない。吸ってるふり。もう1時間以上ここにいる。『コンビニ人間』面白い。読み終わるまで帰りたくはない。

ポテト食う。まずい。

野球部お帰り~。

スマホ文學界と手で隠す。わたしは恥ずかしいらしい。

アイテム獲得の時間

獲得できない。すこしGPSがズレているらしい。カウンターにいた老け顔のお兄さんたちは、GPSも考えてあそこにいたんだな。恐るべし。

((後編では、きちんと書こう))